Friday, 15 October 2010

Les dimanches de ville d'avray

いちばん好きな映画は何かと聞かれたら、ものすごく迷ってしまってきっとすぐには答えられないけれど
いちばん記憶に残っている映画は何かと聞かれたら、すぐに答えられます。
『シベールの日曜日』。

1962年製作の、ふるーいフランス映画。
中3の冬、受験シーズンまっただ中に深夜のHNKで放送されていたのを偶然観て、すごくひきこまれました。

水墨画にインスパイアされて撮ったという映像。白黒映画を綺麗と思ったのはこの時がはじめてです。


インドシナ戦争で記憶喪失になったピエールは
ある日親に捨てられ天涯孤独の少女フランソワーズと出会います。
ピエールが彼女の父親に間違えられたことをきっかけに2人は毎週日曜日になると出掛けるように。

過去を失い自分が何者なのか解らないピエールとひとりぼっちだった少女は、
次第に打ち解けて幸せな時間を過ごしてゆきます。とっても温かくて無垢な時間。

しかし周囲がピエールに注ぐ目は冷たくなる一方。
一緒に過ごそうと約束したクリスマスの日、
ピエールは少女に近づく危険人物として警官に射殺されてしまうのでした。泣き叫ぶ少女・・・。


この映画はロリータ作品にカテゴライズされることがあるらしいですが、
その枠に収まりきらない位ずっとずっと純粋な作品だとわたしは思う。
静かで悲しくて、美しいのです。


映画は娯楽だもん。常にハッピーエンド!!(タイタニックのエンディングは特例)
と信じきっていた田舎の中学生のわたしにとって
この映画のラストは衝撃以外のなにものでもありませんでした。
ちょっとだけ新しい世界を観た気がして、眠れなかった。


そして全く縁のないと思っていたフランスに興味を持つようになったきっかけもこの映画。

パトリシア・ゴッジが大きな目をキラキラさせながら "Ecouter"と言ったときに
『聞いて』という字幕が流れたのですが、この1語だけはゆっくりで聞き取れたのです。

「ほほー・・フランス語でエクーテーは聞くって意味なのかぁ」


翌日、受験勉強そっちのけで雪道のなか本屋まで自転車をとばし
「あなたもできる簡単フランス語会話-CD2枚付き-」という本を買った中3のわたしでした・・。
(影響うけすぎ)


何はともあれこの映画は本当にわたしの人生における大切な一本なのです。
大げさじゃなく。