Friday, 6 January 2012

La Belle Personne

クリストフ・オノレ監督の『美しいひと』。好きなフランス映画のひとつ。
久しぶりに観たくなったので、ダンボール箱の中から輸入版DVDをひっぱりだしてきました。

確か大学1年生のとき、同監督の『ジョルジュ・バタイユ ママン』を観るために
文学好きの友達と新宿高島屋まで行ったのですが、思いのほか過激なシーンがありすぎて
観賞後、気まずい雰囲気になったことを覚えています。
「すごかったね・・・」「うん・・・あんな変態映画だとは思ってなかったよね・・・」

なのでそれから数年後に『美しいひと』という作品のことを知ったとき
これはもしや『ママン』的映画の再来か、と思ったのですが、まったくそんなことはありませんでした。
『ママン』とは対極にある映画。

主演は
昨年PRADA CANDYのCMで見せたおてんば娘姿(アイ・ドン・ケーア!と叫んで男の子に突進!!)
も記憶に新しいフランスの若手女優レア・セィドゥと、
まるでルネサンス時代の彫刻のようなお顔立ち、全身フェロモンで出来てるに違いなく
出演作では大抵脱いでると思われる(←)、ルイ・ガレルの2人。

母親の死後、新しい高校へ転校してきたジュニー(レア・セイドゥ)は
その美しさとミステリアスな雰囲気で無意識にも学校中の男の子を魅了してゆきます。
やがて彼女はオットーという真面目でおとなしい学生と付き合うようになるのですが
ちょうどその頃イタリア語教師のムヌール(ルイ・ガレル)も彼女に強い恋心を抱くようになって---
というお話。

それまで同僚に手を出したり生徒に手を出したりと、やりたい放題だったヌムール先生は
ジュニーに一目惚れしてからというもの過去の女関係を全て清算。
「こんな気持ちになったのはいつぶりだろう。胸は熱くなるし、足は震えるんだ!」
と、悩める心境を数学の先生に吐露するわ、
ジェニーに近づこうとあの手この手、ストーカーまがいなことをするわ、
その様子は自制の効かない恋する少年のよう。

一方のジュニーは「愛なんて一過性のもの。永遠なんてない」と言いヌムールを突き放しながらも
彼のことを好きになってしまうと予感。オットーを悲劇が襲ったあと
彼女はこの映画のモチーフともなった17世紀の仏小説『クレーヴの奥方』さながらの貞淑さで
ある決断をするのだけれども、それが到底この年齢の女の子にできることじゃない。
観ている者は気づくのです。
その瞬間の彼女は、紛れもなく「美しいひと」なのだと・・・。

せつない。

大人すぎる16歳。

しかし主人公のジュニーだけに限らず、この映画に出てくるリセの学生は皆大人びているのです。

例えば

「物事を一方的に解釈する前に、異なった視点から考えてみることも必要よ」と授業中に先生が言う。
ある生徒が質問する。「先生は今付き合っている彼のことを深く愛していますか?
その彼のことを、愛することと同等に深く憎むこともできると思いますか?」
先生は「彼のことを憎むなんて考えられないわ」と答える。
すると生徒は言い放つ。
「それじゃあ先生に [物事を異なった視点から考えろ] なんて言う資格はありませんね」
(↑だいぶ端折って訳したので、あしからず)

・・・どーん!生徒に一本。
こんなことを先生に言っちゃう、アンファンテリブルの恋愛模様はやっぱりすごい。
ぼーっと観ていると、主人公の周りでは誰と誰が付き合っているのか分らなくなるという事態に!

それでも全くどろどろしていないのは、彼らが十代だからなのか、お国柄の成せるものなのか。

この映画を観ると「アムールの国の高校生ってすごい・・・」と思わずにはいられないはずです。
それから「ルイ・ガレルが服を脱がないまま本編が終わるなんて・・・」とも。


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