Tuesday, 26 June 2012

We Need to Talk About Kevin

わたしは悪魔を産んだのでしょうか。



ライオネル・シュライヴァーの同名小説が原作の、ちょっと話題なこの映画。
日本ではもうすぐ『少年は残酷な弓を射る』という題名で公開予定ですね。

この邦題も日本版のポスターも、どこか耽美主義風というか往年の少女マンガ風で
元々の映画の雰囲気とは大きくかけ離れているため、
ポスター観て邦題聞いて「あらなんか素敵」というイメージだけで映画を観に行くと
狐につままれたような気分になるかもしれませぬ。

どうしてこう作品自体の存在をねじまげるようなことするのでしょう・・・。

ぶつぶつ。

うぉっほん。

周囲からの悪意ある眼差しから逃れるように独りさびれた家でひっそりと暮らしているエヴァ。
街を歩けば罵られ、家や車にいたずらをされ
アルコールや睡眠薬に頼らなければ眠れない毎日を送っています。

生きているのか死んでいるのかわからないような生活の中で彼女が思い出しているのは
とりかえしのつかない事件に手を染めてしまった息子ケヴィンのことでしたーーー。


すべてがエヴァの視点で綴られているので
何故息子はそんなにも反抗的なのか、彼がどういう風に事件を起したのか
何もかもがわからないまま。
確かなのは、ケヴィンが母親に恐ろしい程強い憎悪を抱いており
取り返しのつかないことをしてしまったということだけ。


重々しい場面では執拗にBuddy Hollyのポップな名曲"Everyday"が流れるのですが
陽気に"a-hey, hey hey"と歌われるその曲とシーンが全く噛み合っておらず
その落差がわたしたちに果てしない不条理感とやりきれなさを感じさせるのです。

ずーん。

映画冒頭、スペインで行われているトマト祭りのシーン(圧巻)で
ぐちゃぐちゃになった真っ赤なトマトを全身に浴びながら
十字架に張り付けられたキリストの様なポーズで群衆に運ばれてゆくエヴァが
とっても印象的であり象徴的です。

異常な息子に恐怖と苛立ちを覚えながらも精一杯愛情を注ごうとた母親に息子が唯一残したのは
永遠に続く地獄のような苦しみ。

「どうしてあんなことをしたの?」

新星エズラ・ミラー扮するケヴィンのみせるあの恐ろしい程に冷酷な目つきといったら。

あぁ救われない物語。