Thursday, 15 November 2012

Salmon Fishing in the Yemen

この映画の存在を知ったとき、
砂漠のイエメンに鮭を泳がせようとみんなが奮闘するストーリーだなんて
この作品はきっとNHKの『プロジェクトX』的なアツい感動巨編なのだろう。
それならばわたしのこの映画を観たい度はそんなに高くないやねぇ・・・。
なんて思っていたのだけど!

純粋にとても面白かったんだなこれが。


「砂漠で鮭が釣れるようにしてくれ。」
イエメンの大富豪から無理難題を依頼されたコンサルタントのハリエット。
水産学者のジョーンズ博士に相談するも、"fundamentally unfeasible" と、あっさり断られてしまいます。
しかしこの話が中東との緊張状態をどうにか緩和したい英国の首相広報官の耳に入るやいなや
すぐさま英外務省も支援を決定。
一見荒唐無稽に思えた計画が、首相政府を巻き込んだ国家の一大プロジェクトとなってしまうーーー
という話。


エミリー・ブラント演じる容姿端麗頭脳明晰で仕事もバリバリ、でもちょっと脆い女性ハリエット、
ユアン・マクレガー扮する真面目で冴えない魚一筋の学者ジョーンズに加えて
クリスティン・スコット・トーマスのかなり振り切れた演技が強烈な首相広報官マックスウェルの存在が
この映画に大変気持ちのよいコメディ色を与えてくれていて、はじめの想像よりずっと笑えた映画でした。
(何度か出てくるマックスウェルのPCチャット用のアイコン表情が最高なんだよ)

そして何より
釣りにも魚にも全く明るくないわたしがこの映画を楽しめた最大の理由は
ロマンスという女性ならきっとみんなが大好きな要素が
中盤から後半にかけてたっぷり詰まっていたからだと思います。でへ!

アフガニスタンへ派遣されている軍人の恋人を持つハリエットと
長年の結婚生活で妻との関係はとうに冷えきっているジョーンズ博士。

ひとつのプロジェクトを達成する為に強力し合っていたビジネスパートナーの2人が
男女としてお互い惹かれ合うのに、そう長い時間はかからなかったのである。
オフィスラブならぬイエメンde鮭ラブ。(なにそれ)

映画の途中からはこの恋のゆくえが気になって気になって
わたしの頭の中は明らかに
ハリエット&ジョーンズのラブ>鮭放流計画
になってしまったのでしたが・・・。

それでも
「天然の鮭を国外に持ち出すなど言語同断!」という英国環境省の猛反対、
「我々は西欧化など望まぬ!川や鮭など不要!」というイエメンの過激派による攻撃などに邪魔されて
全く一筋縄にはいかないこの計画を成し遂げるために
何度か諦めそうになったって、再び這い上がり夢を実現させようとする人たちの姿には
最後やっぱりうるうるしてしまいましたよう。

ありとあらゆる現実世界の不可能を可能にしてくれる映画の魔法を観た気がしました。

基本いつだってひねくれたものの考え方をする私ですが
バカみたいだって格好悪くたっていいじゃないか。
好きな人にはきちんと好きだって伝えて、たくさん傷ついたって
どろどろになるまで頑張ったら必ずやそれは報われるのだって、
そういうのも少し信じてみようかな、なんて思った映画でした。