Saturday, 24 November 2012

The Silent Miaow

猫はお好きですか。
そっけなくて、自由気ままで、とびきりに愛らしい猫という生き物。
彼らがなにを考えているか知りたいと思ったことが一度でもあるならば
この本が役に立つかもしれません・・・。

自身も猫好きとして有名だった作家ポール・ギャリコによって1964年に書かれた
その名も『猫語の教科書』。
猫もの小説のベストセラー。

今日の夜に本屋さんでこの本を購入し
お風呂に浸かっている1時間弱の間に読み終えてしまった。
かわいい猫の写真も付いていて、とても読みやすい本です。


なんでもこの本が完成するまでの経緯というのはちょっぴり変わっていたという・・・。
ある朝、大手出版社に勤める編集者の自宅玄関前に分厚い原稿の束が届きます。
それを開けてみると、並んでいたのは文字と数字の混じり合った解読不能な文章の山。
困り果てた編集者から相談を受けて謎の文章の解読を始めたギャリコはとんでもない事実を発見するのでした。

「この原稿は人間によって書かれたものではない。
恐ろしく頭のよい猫によって書かれた、この世の全ての猫のための、生き残りマニュアルだ。」

そう、この本は
生後6ヶ月でお母さんを交通事故で亡くし、それからというもの人間の家を「乗っ取り」生きてきたという
非常に逞しくて賢い名無しの猫(♀)によって書かれたものなのであります。


正しいタイトルは『猫語の教科書ー子猫、のら猫、捨て猫たちに覚えてほしいこと』
(The Silent Miaow: A manual for Kittens, Strays, and Homeless Cats)


「人間の家をのっとる方法」という衝撃的な(?)第1章から始まり
人間ってどういう生き物?おいしいものを食べるには?などなど全19章からなる本作。
わたしたち人間にうまく取り入って快適な生活を手に入れる方法だけに焦点をあてた、
計算高い猫による猫の為の腹黒ハウツー本です。

「地獄の沙汰も金しだい、ということわざだってあるでしょう?もし貧乏な家を乗っ取りたいというなら
それは自由だけど、わたしならやめておくわ。」

「男性は、コツさえつかめば操縦は簡単です。男というものはもともと不安定な生き物で、
とくに家庭の中では矛盾に苦しんでいるので、この矛盾をじょうずに利用するのです。」

「女性は猫と同じく生まれながらのハンターで、本能的で、獲物を扱うときには残酷でさえあります。
女達は、女につかまり征服された男達よりもずっと賢いのです。猫が男をモノにする手練手管を
女性は同じ目的で、もう使っています。」

・・・やだ猫こわい・・・!上から目線すぎる・・・!

しかしそれだけにとどまらず
さらに目も覚める思いをしたのは次の文を読んだときでした。

「人間の家を支配するためには、自分の魅力をどう人間にアピールすべきか知っていなくてはなりません。
表情、姿勢、しぐさ、顔や体の動き、全部を使って自分の魅力を輝かせるの。
だって猫はどんな時でも、妖艶でしとやかで謎と魅惑に満ち、
セクシーで官能的で、快活で愛嬌に溢れ、面白くて人好きがして、愛の魔法で心をかきみだし
心をそそり心を満たす、ほれぼれと可愛らしい存在でありづけなければならないんですから。」

こ・・・これは・・・

これは本当に猫の為のマニュアルですか?
「モテる女子になる!」とかいう類いの、女性向けセルフヘルプ本じゃなくて?

あぁそうか、モテる女性と猫はよく似ているのだな。
そして猫は赤文字系雑誌に代表されるような「モテ」を日々意識して行動しているのか。

・・・・・

やっぱり猫こわい!!!


好きな人を、彼氏を、モテスキルの高い猫に横取りされてしまう。
一瞬そんな不安に苛まれましたよ・・・。
(本当にわたしの妄想はどうしようもない)


人間界での猫の処世術を語っていると同時に
わたしたち人間の本質を、皮肉たっぷりに、面白可笑しくずばっと言い当てているこの本。
最後にはしっかり人間に対する敬意と愛情を示してくれたりする。
読み終わる頃にはすっかり
ユーモアとアメとムチを絶妙に使い分けるこの猫の虜になってしまいました。


こんなに賢くて可愛い猫が、明日わたしの部屋を「乗っ取りに」来てくれたらいいのに!