Sunday, 9 December 2012

RUBY SPARKS

来週日本公開となるこちらの映画、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
笑って泣いた『リトルミスサンシャイン』の監督が手掛ける新作『ルビー・スパークス』。


19歳で華々しくデビューし、天才ともてはやされたのも遥か昔のこと。
長い長いスランプに陥っている小説家のカルヴィン。
彼はセラピーの一環として薦められるままに、夢に出てきた理想の女の子を題材に物語を書きはじめます。
とびきりキュートで天真爛漫な彼女の名前はルビー・スパークス。
彼女のことを考えればスランプなんてどこへやら、次々と小説のアイディアが沸いてくる・・・。
彼は物語の中のルビーに恋をしてしまったかの様に夢中でタイプライターを打ち、
執筆に没頭し始めるのですが。
ある日の朝目を覚ますと、彼の目の前に本物のルビーが現れたからさぁ大変。

想像通りの容貌に設定通りのキャラクター。彼が書いたとおりに行動する彼女。

彼女は本物か、はたまたカルヴィンの妄想の産物か?

・・・・・・

ポップで独特なスタイリングとシンプルかつカラフルな画面構成から溢れ出るハッピームードを介して
人間の不器用さや寂しさや欲望なんかがぽろぽろと見え隠れしている秀作。


この映画を観て思い出したのは
多くの人が言っているように『(500)日のサマー』や『ラースと、その彼女』でした。
内気で社交性のない主人公の男の子が、彼女を自分の理想とする女の子のイメージに当てはめる。
「可愛い服に身を包んだ不思議な女の子。とにかく魅力的で自由で、たまにふりまわされちゃうんだけれど
いつだって自分のことを大好きでいてくれる女の子。」
しかしあるとき彼女の行動が自分の思い通りにならなくって
男はどっかーんと怒り狂ったり絶望につきおとされる。
そんな映画。

罪悪感と背徳感に苛まれながらも
空想の具現化であるルビーをタイプライターによって支配しようとするカルヴィン。
それは恋愛下手な男のひとりよがりで、狂気じみているのだけれど
最終的にははっと我にかえってあることを決断する。でっかい愛をもって。

だってだって、思い通りにいかないから人生は面白いのであるよ、と。


実生活でもパートナー同士であるポール・ダノとゾーイ・カザン。
ザ・文化系のカップルふたりが主役を務めている本作は
カカオ95%のチョコレートのようにビタースイートな映画でした。

かわいいだけじゃ終わらない。

ロマンティックでたまに心がちくっとするようなラブファンタジー。
12月という季節にぴったりだと思います。