Tuesday, 26 February 2013

Flowers: Robert Mapplethorpe

池袋西武のギャラリーへメイプルソープのFlowers写真展のためにやって来たのは
バレンタインの前日のことでした。

1946年ニューヨークに生まれたロバート・メイプルソープ。
プラットインスティテュート在学中あのパティ・スミスと同居していたという伝説ストーリーを持つ
男前のフォトグラファー。

1970年代から彼が取り組み始めた作品群"Flowers"より100余点が並んだこの写真展は
ひっそりとそして堂々と開催されていて、ほんとうに見ごたえ満点でした。

色彩にあふれているはずの花々を彼はモノクロームで捉える。
不思議にも、その白黒の写真から、花の持つ色や香りそして生命力が溢れ出しているのです。
モノクロ作品の並ぶ中、メイプルソープとしては珍しいカラーの写真も9点だけ展示されており
そのコントラストたるやものすごいインパクト。
あぁ彼は観る側の人の気持ちをとてもよくわかっている。天才ってこういう人のことを言うのだ!
と感動せずにはいられませんでした。

無駄なものは全て剥ぎ取られ、花の生け方、光の具合、フラワーベースのデザイン、 背景にいたるまで
全てが綿密な計算に基づいて表現されているとしか思えない作品たちを観て
なんとも数学のように美しい芸術だとおもった。
(数学って非常に美しい学問なんだと父がいつも言っていた。わたしにその才能は受け継がれなかったけど。)






バラよりもチューリップよりもガーベラよりもカラーの花の作品が多かった。
花言葉は「純潔、歓喜、すばらしい美」。
メイプルソープにとってカラーとはどんな意味を持つ花だったのでしょうか。


花は咲き誇っているときが一番に美しいのだ、と
多くの人はその一瞬の美しさをカメラに収めようとします。
しかしメイプルソープは、花が蕾をつけ、咲き、そして朽ちてゆくところまでを捉える。
乙女のように無垢な花、この上ないほどゴージャスな花、
どきっとしてしまう位セクシャルな花、そして枯れてゆく花。
・・・その写真の数々は、赤ん坊として生まれ青年期を経て老い、死んでゆく人間の姿と重なるのです。

86年にエイズ感染が発覚し、42歳という若さでこの世を去ることになった彼の
「生への執着」と「死の予感」が花を通してひしひしと伝わってくるような写真展でした。
鳥肌たっちゃったもの。