Sunday, 19 May 2013

Vedi Venezia e Poi Muori

昨日の今頃は日本で働いてたというのに、
今はもう想像以上に蒸し暑い北イタリアの地に降り立っている。
そうだった、ヨーロッパってば案外近いんだったね。

そんなことを思いながら
永遠の憧れ、水の都ヴェネツィアへとやってきました。

夜行列車でマルコポーロ空港まで迎えにきてくれたドイツ在住のイタリア人から
朝ごはん代わりにどうぞと差し出された懐かしきリッタースポーツのチョコレートは
暑さでぐちゃーっと溶けていて、
けらけらと笑いながらなめるようにそれを食べた。
それが旅の始まり。

夏だなぁ・・・(5月ですよ)。


空港からバスに乗って30分するとヴェネツィアの街へ到着。
目の前に広がる景色が美しすぎて涙がでそうになったのはいつぶりでしょうか。

水の上に浮いている小さな小さな街。車の通れる場所はなく、交通手段はボートだけ。
「明日お前んちまでボートで迎えにいくからな。」(ダニ訳)
なんていう地元ボーイたちの会話も聞こえてきて、そこは完全なる非日常の世界でした。

一日乗車券を購入し、
生まれて初めてヴァポレットと呼ばれるイタリアの水上バスに乗車。
こういうのは、何歳になっても楽しいものです。

ヴァポレットからの景色。真っ白な教会はサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂。
ヴェネツィア生まれの建築家ロンゲーナが若干26歳で設計したバシリカです。

道路に車を駐車するが如く
ずらっとボートが停めてあるヴェネツィアの運河。
その脇には何百年も前からそこに建っている古い古いお家が並びます。

街の中心サン・マルコ広場。
高潮だった夜、この広場の至る所からぷくぷくと海水がにじみ出ていました。
プチ・アクアアルタだ!


ドゥカーレ宮殿、サン・マルコ寺院、鐘楼が並んでいるヴェネツィア一番の観光名所。

カフェ・ラヴェーナ。
作曲家のワーグナーはここの常連だったそうです。作曲もここで行っていたとか。
ヴェネツィアで客死した彼の「ワルキューレの騎行」を口ずさみながら(←え)
こちらでジェラートを頂きました。

こちらは1720年創業、ヴェネツィア最古の有名カフェ・フローリアン。
ゲーテ、カサノヴァ、ディケンズ、バイロン、プルースト・・・
名だたる著名人たちが訪れた場所。
お財布に余裕のある方はこちらのカフェで歴史を感じてみてはいかがでしょう。

フローリアンでは常にクラシック音楽の生演奏が聴けるのですが
その代わり席につくとlive music surchargeとして全員6ユーロ徴収されるそう。わお!
それでも夜はたくさんの人が集まって、
演奏に耳を傾け幸せそうにダンスをしていたりしました。

海の街だけあって朝から魚市場がもりあがっています。
見たことのないお魚がたくさんだった。
ベネツィアの築地。

ご飯は3日間魚介類をメインに頂きました。
ボンゴレスパゲッティ、フリットミスト、イカスミパスタ、魚介のピッツアエトセトラ。
全部が全部とーっても美味しかったです。食の国イタリアの実力を改めて実感。

カフェの横に咲いていたハッピーなお花。
なんていう名前だろう・・・なんてのんきに思っていたら、
わたしたちの横をぴゅいーんとものすごいスピードで走ってゆく
一人の男と彼を追いかける2人の男の姿が。
「その男を捕まえてくれ!そいつは金を払ってないんだ!」
どうやら無銭飲食をして逃げている客をレストランのスタッフが追いかけていたらしい。
わわわ。

海の上にある街の特徴は、至る所に橋があること。
ヴェネツィアには大小あわせて約420もの橋が架かっているのです。

「白い巨像」の異名を持つリアルト橋。
ヴェネツィアで一番多くの人が行き交う橋です。

リアルト橋から眺めるカナル・グランデの様子。
あのヴァポレットにアンジェリーナ・ジョリーが乗ってたりして!
と、ヴェネツィアが舞台の最低な映画『ツーリスト』のことを思い出しました。

「悪魔の橋」でにやり。
どんな小さな橋にも全てに名前がついているのだ。

ドゥカーレ宮殿の尋問室(左の建物)と牢獄(右の建物)をつなぐ橋。
この橋から眺めるヴェネツィアの様子は、囚人が投獄される前に見る最後の景色でした。
もう二度と見ることは叶わないであろう外の世界の美しさに
囚人の多くはこの橋でため息をついたという・・・。
そんなエピソードを聞いたイギリスのロマン派詩人ジョージ・バイロンは
この橋を"Ponte dei Sospiri"/「ため息の橋」と名付けたのです。
(バイロンが在学していた英国ケンブリッジには
この橋を模したThe Bridge of Sighなる茶色い橋が存在します。)

薄暗くひんやりとした空気で包まれた「ため息橋」の中を通り
囚人気分で小窓から外を覗くとサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が目の前に。

近づいて見る度、聖堂のその細やかな造りには目が釘付けになります。

通りすがりのフランス人観光客に"olala, c'est tres gros!"と言われていた、
人懐っこいでぶねこちゃん。

ドゥカーレ宮殿の美術館内にある美しい回廊。

ヴェネツィアといえばやっぱりゴンドラ。
しましまのユニフォームを着た陽気なゴンドリエーレ達が乗客を楽しませてくれます。
プロのゴンドリエーレになるためには
厳しい実技トレーニングの他に
英語とフランス語、歴史のテストをクリアしなければいけないんですって。

狭ーい運河をゴンドラでスイスイ。
35分で80ユーロ。最大で6人まで乗ることができます。

わたしもダニパパの好意で乗せてもらいました。
ゆらゆらゆれるゴンドラと歌のように飛び交うイタリア語。
本当に楽しかったなー。

東方見聞録でおなじみマルコ・ポーロの家。
マルコ・ポーロってヴェネツィア生まれだったのですね。
カサノヴァとヴィヴァルディもヴェネツィア出身だそう。

アーセナル。旧造船場。
この日はお休みで中に入れませんでした・・・ざんねん!

毎年2月に開催されるカーニバルが世界的に有名なヴェネツィア。
街の至る所にカーニバル用のマスク屋さんが。
幻想的!
わたしもいつか見てみたいな。

なぜだかダリがこっちを見ている。


世界遺産の街には青空がよく似合います。
こんな景色を3日間眺めていたら、すっかり心がふわふわになった。

夜の7時でこの明るさ。夜はまだまだこれから。
真っ暗になってからはヴィヴァルディ『四季』のコンサートへ行ったり
フローリアンでの音楽演奏に足を運んだりしました。


海に浮かぶ120の島々から成るこの場所は「アドリア海の真珠」とも呼ばれています。
海の街ヴェネツィア。陽気な人たちの街ベネツィア。音楽の溢れる街ヴェネツィア。
歩くだけで映画の主人公になったかのような気分になれる場所。

ほんとうに、来てよかった。

「ナポリを見てから死ね」と、イタリアの人たちは言う。
けれどわたしは声を大にして言いたくなりました。

「ヴェニスを見てから死ね」でもいいんじゃないの?と。