Monday, 31 August 2015

God Help the Girl

クルクルとまわりながら、歌い続けたい衝動に駆られるような高揚感と
ちょっぴりやるせなくて、泣きたくなるような気持ち。
遠くに置いてきて、忘れそうになっていた懐かしい思い出に、うっかりまた触れてしまった。

プライマルスクリーム、ヴァセリンズ、モグワイ、トラヴィス、フラテリス、フランツ・フェルディナンドなど、
多くのミュージシャンを排出した音楽都市、スコットランドのグラスゴーを舞台に、
歌の才能あふれるイヴ、大学のプール監視員時々ミュージシャンのジェームス、
天真爛漫なお嬢様のキャシーが出会い、音楽を通じて、絆を深めてゆく---。

『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』

自身もグラスゴー出身、伝説のポップバンド、ベル・アンド・セバスチャンのスチュアートが監督したミュージカル映画です。


大学で英文学を専攻していたころ、UKロックに傾倒し、バイト先の映画館からお給料が出るたびに
沢山のCDと新しい服を買い、来日するバンドのライブやフェスへ足を運んでいたわたしには
この映画を好きになれない理由なんてひとつもなかった。

次々繰り出されるポップな音楽にのせてスクリーンに映し出されるのは
ザ・おしゃれな英国の若者!と絶賛せずにはいられない、チープシックでとにかく可愛らしいファッションの数々。
重厚な英国式インテリアが見事なキャシーのお屋敷と、リバティのカーテンが印象的なイヴのフラット。
憂いを帯びた北の都市に、一瞬だけ訪れる夏の日の、美しい緑。

舞台は現代なはずなのに、どこかノスタルジックで
映画の主人公たちのなかに、昔のわたしを見た気がしました。
孤独を抱えて情緒不安定なイヴも
そんな彼女を見守り、助け、肝心なところでどんくさいジェームスも
健康的で無垢で夢見がちなキャシーも。

わたしはとっくに彼らの年齢を過ぎてしまって
自分の才能を信じたり、壮大な夢を追いかけたりすることはもうありません。
小さな諦めと妥協、日常のささやかな喜びを繰り返し、地に足のついた生活を送る術を知っています。

だからこそ、こういうビタースイートな青春グラフィティが愛おしくってたまらない。

若さっていいな。