Monday, 30 November 2015

The One I Love

あなたの隣にいる、大好きなその人が、実は全くの他人だったとしたら・・・?

"The One I Love"

Netflixで観たこの映画、本当に素晴らしかった。
ひたひたと誰かが忍び寄ってくる気配、足下から底冷えするような気持ち悪さ。
ラブストーリーであり、ミステリーであり、SFでもある映画。
日本ではDVDにもなっていないようなので、Netflixが無ければこの映画のことを知らないままだったかもしれない。

(このポスターが全てを語っている・・・

イーサンとソフィー。
浮気をした夫と、それを延々に咎める妻。

このふたりがカップルカウンセリングを受けているシーンからこの物語は始まります。

どうしたら結婚前のような気持ちを取り戻せるのかと悩む夫婦に、
カウンセラーはある提案をしました。

「とっておきのゲストハウスがある。そこで何日か過ごしたカップルは、
不思議なことに皆幸せになって戻ってくるんだ。
君たちも行ってみたらいいんじゃないか。」

彼に勧められるがまま、
豊かな自然に囲まれた、離れ付きのゲストハウスで何日か過ごすことにした夫婦。
非日常感も手伝って、ふたりは久々に幸せな一日を過ごしました。

・・・・

ここまではなんてことないラブストーリーなのですが、ここから物語は奇妙な方向へ走り出します。
ふたりの言動が、まるで噛み合なくなるのだから。

夫は「このカウチでひとりで寝てたよ」と言い、
妻は「何いってるの、さっきまでわたしたち、一緒に寝てたじゃない」と言う。

夫の記憶にない、空になったワインボトルと葡萄の房。
大嫌いなはずのベーコンを朝食に出す妻。

ゲストハウスとその小さな離れで共有されているはずだった夫婦の時間と記憶が
どうにもこうにも一致しない気味悪さに、観ているわたしたちは、
「何なに?一体なんなの?」と夢中にならずにはいられないのです。

ドッペルゲンガー現象なのか、それとも彼らがパラレルワールドに来てしまったのか。

その明確な答えが劇中で語られることはありません。

だからこそ、映画のラストシーンには
「!!!!(うわぁぁぁぁ)!!!!」
と、声にならない声をあげて怯えきってしまった。

あの人が本当にあの人なんだっていう証拠は、もうどこにも無い訳なのよう。

夫婦の純愛再生物語かと思ったら一転、
鳥肌なしには観ることができない超絶ミステリ系映画だった“The One I Love"。
秋の夜長におすすめの一本です。