Wednesday, 10 August 2016

MAN UP

7月末、振替休日の木曜日。

当初の予定が急遽変更となってしまい、少しだけ残念な気持ちになりながら
それでも折角暑い中新宿まで来たのだし映画でも観ようかなと、上映時間の近い作品を検索。
なんとなく、シネマカリテにて
滑らない男サイモン・ペグ主演、ブラインドデートが題材のラブコメ『マン・アップ』を観ることにしました。

そうしたら、これがもう予想外に大正解。
予定がキャンセルになったことに感謝してしまうくらい良い映画だった。


主人公はナンシー34歳、シングル。
友人がセットアップしてくれたパーティー会場へ行くも、
「あぁ緊張する...。ホテルに戻ってひとり『羊たちの沈黙』を観るほうがずっと気楽!パーティーなんかやめた!」
と逃げ出してしまう、恋愛に消極的な女性です。

両親の結婚記念日を祝うために実家へ向かっていたナンシーは、
初めてのブラインドデートへ向かっていたジェシカという若い女の子に出会います。
もう男性と知り合うチャンスだって無いし、自分は寂しく老後を迎えるのだ...とやさぐれるナンシーの様子を見かねたジェシカは、
ナンシーに"Six Billion People and You"という自己啓発本を差し出して、もっと前向きになるようアドバイスを始めるのでした。

差し出された本を返そうと、ウォータールー駅でジェシカを追いかけていたナンシーは
ジェシカのブラインドデート相手のジャックに声を掛けられます。
なぜならジェシカとジャックはあらかじめ、お互いの姿を見つけやすいよう
"Six Billion People and You"の本を手に駅の時計台の下で待ち合わせる約束をしていたから。

偶然が重なって、ジャックにブラインドデート相手と勘違いされてしまったナンシー。
なかなか本当のことを言い出せず
ついには自分がジェシカだと嘘をついてデートをスタートさせてしまいます。

・・・・・

軽妙なトークと辛辣なジョークが冴え渡る本作。
個人的に一番気に入ったのは『007』でクールなスーツに身を包み幕僚主任のビル・タナーを演じていたロリー・キニアが
ジェシカの幼なじみのめちゃめちゃ気持ち悪いショーンを演じていたところです。
彼がスクリーンに登場するたびに、映画館は笑いに包まれていました。
エンドロール直前まで良い働きをして物語のキーパーソンとなっていたロリーさんに
心からの賛辞を送りたい、と思う。

今年こそ人生を変えなくっちゃと意気込むけれど
いざとなると尻込みして、やっぱり今のままでいい、どうせわたしなんか...。
と後ろ向きになり、欲しいものを欲しいと言えないナンシーの姿に心の底から共感して、
たくさん笑い、ぽろぽろと大泣きした。

大人になればなるほど行動範囲が決まってきて、
新しい何かに挑戦することに臆病になる。わたしだってそう。

だから、ナンシーがモレスキン(多分)のノートに書いていた

”Take chances. Be more deviant. Engage with life."

この3つの言葉をしっかりと心に刻んでおいた。

チャンスの神様には前髪しか無い、と言う。
少しだけいつもよりも諦めなかった2人には、夢のようなエンディングが待っています。
観る者をとてつもなく幸せな気持ちにさせてくれる最後の10分間。
もうね、自分が笑ってるのか泣いているのかわからなくなった。

わたしの中の永遠の英国産ベスト・ロムコム『ラブ・アクチュアリー』に
勝るとも劣らない名作。

大好きな映画がまたひとつ増えてうれしい。

(サイモン・ペグはやっぱりすべらない男!)